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September 26, 2005

青い棘

十代。
それは、脆く、儚さに彩られた季節。
鋭敏な感覚を研ぎ澄ませる、美しき狂気の世界へ

※トラベルムービー レビュー⑦(鑑賞済)

 結構ユニークな作風&よい作品が多いのだが、なかなか配給されないドイツ映画である。来年はW杯だし、今年は「日本におけるドイツ年」でイベントも多いのに、映画はなぜ??? な状況だ。

 さて、『グッバイ、レーニン!』の製作チームが、世界中を揺るがした実際の事件「シュテークリッツ校の悲劇」をもとに、「黄金の20年代」と呼ばれたワイマール時代のベルリンを忠実に映画化した作品が登場する。

 物語は、1927年のベルリン郊外を舞台に、多感かつ危うい年頃のギンナジウム(寄宿学校)に通う少年同士2人の世界を中心に描く、同性愛チックな雰囲気がもわーっと漂う映画だ。

 詩を愛する内向的なパウル・クランツ(ダニエル・ブリュール)と上流階級出身のギュンター・シェラー(アウグスト・ディラー)は卒業試験を間近に控えた寄宿学校の最上級生。

 育った環境の違う2人は、ある「取り決め」により結束する。それは“歓喜に満ちた偉大な瞬間”“大いなる愛”を求めること、そして“愛を感じなくなった瞬間”に、この世を去ること…。

 ある週末、ギュンターの親が所有する湖畔の別荘へと訪れる2人、そこには彼の妹ヒルデも訪れていた。彼女に想いを寄せるパウルは、別荘での再会後、徐々に彼女への想いが熱く燃え上がっていくのを知る。一方のおませ(小悪魔さん)なヒルデは、つれない態度で彼の心を翻弄するのだった。

 ちぐはぐな恋のやりとり、残酷な仕打ち、夜通しの仲間たちとのダンスパーティ…若さという特権に身を委ねるまま、少年少女たちが、美しい狂気を生み出していく。…まさにトランスな状態。
 
 本作の主演は、『グッバイ、レーニン』で一躍、ドイツ映画界の期待の星に輝くことになったダニエル・ブリュール君。けっこう来日もされておりますね。そして対照的なもう一人の青年は、長身なアウグスト・ディール。

 『わが青春のマリアンヌ』、『アナザー・カントリー』、『モーリス』に次ぐ、究極の愛のデカダンス…との宣伝。かといって、純正同性愛を描いているのではなく、竹宮恵子とか萩尾元都なんかあたりの少女コミックで描くドイツ文学の薫りも漂う、性を超越したビビットな青い季節を丁寧に描く、文芸風の仕上がりとなっている。

 芸術の秋にとーっても似合う作品である。&密度の濃い内容に頭がクラクラとした。けっこうこの手の作品も好きで、美しい旋律のメインテーマもせつなく響いてくるのだった。公開劇場もピッタリ?ですね。

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10月29日、Bunkamuraル・シネマにてロードショー
配給:アルバトロス・フィルム
■公式サイト
http://www.aoitoge.com/

青い棘 主演:ダニエル・ブリュール - 映画

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Tracked on December 15, 2005 at 12:46 PM

Comments

TBありがとうございます!
もう「青い棘」ご覧になったのですね・・・!
こちら関西なので公開を待ちに待っております(^_^)

実際の映画のアウグスト・ディールはとても繊細な役のようで、
「タトゥー」の遊び好きだけど、仕事は頑張る新任刑事さんの役も素敵でした!彼を気に入った方がいらっしゃいましたら、TUTAYAなどのレンタルショップにもあります!

早く観たい!*^_^*

Posted by: めりの | September 30, 2005 at 02:32 PM

こんにちは。
私も萩尾望都の世界観を思い出しました。下卑たところのない、文学的な作品でしたね。

Posted by: chatelaine | November 05, 2005 at 06:23 AM

どーも、ごまです♪
TBありがとうございました~。

私も芸術性の高い映画だと思いました。とても雰囲気ありましたよね。

『グッバイ、レーニン』まだ見てないので、そのうちみようと思います!
ではではまたよろしくー。

Posted by: goma | November 06, 2005 at 05:06 PM

こんにちは。昨日、『青い棘』を鑑賞しました。幸福感と絶望とが、綾織のように交錯する十代の少年の心。死への憧れといったものも、今の日本の十代と変わらないですね。少年犯罪のブログをやっているので、TBさせていただきます。

Posted by: 檀上りく | November 14, 2005 at 07:09 AM

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