イノセント・ボイス 12歳の戦争
なぜ、誰かのせいで、
輝かしい時間を、愛する人を、友人を、
そしてすべてを奪われていくのか?
※トラベルムービー レビュー(鑑賞:試写室@京橋)
舞台:エルサルバドル
脚本家オスカー・トレス氏の来日インタビューをすることになり、急遽試写…マジ強制入りました。ってことで、本日某ホテルまでうかがい、話を聞いたりもしたのだが、こういうのってすんごくレビューしにくいです。仕事が絡むと…それは置いておいてっと。
1980年代、約10年以上続いたエルサルバドルの内戦時、政府軍と発起軍の争いの狭間となった村を舞台に描かれる、少年と戦争もの。実話に基づいた作品なのである。ブルータス的にリアル・ムービーってヤツですね。
衝撃は「12歳徴兵」が実際に行われていたという現実だ。いや、今も30以上の紛争地で30万人以上の少年兵が、銃を手に戦っているという現在進行形の事実が、この作品で改めて浮かび上がったことのほうが、余程重たい。
物語は、もうまもなく12歳になろうとする11歳の少年チャバの視点で描かれ、進行していく。ある日、お父さんは村を出て行ってしまい、チャバの家はお母さんと姉妹の母子家庭4人組みになってしまう。その頃、チャバの叔父さんをはじめ、農村部の男たちは、政府軍の搾取に対して抵抗を開始していた。
泥沼の戦争(内戦)ははじまり、政府軍は見せしめのために12歳の子供を徴兵。突然、村へやってきては、ガキ狩りが行われるのである。こうして政府軍の一員となった子供が、親の側を撃ち殺すという、残酷な構図を生み出すのだった。
村の小学校に通い、放課後を友人と遊び、家の手伝いもするチャバの日常にも銃撃が飛び交っていた。夕飯を食べていたら襲撃されるし、それはまさしく予測不能。いつ命を落とすか、明日をも見えない日々の繰り返しだった。
それでも、政府軍の手をうまく逃れ、小さな恋にも落ちたチャバ。夜のホタルも観に行ったし、友人たちと川遊びも楽しんでいた。しかし、チャバにも刻一刻と12歳の誕生日が迫っていた。母親の弟、叔父さんは、徴兵前に逃げろと言う!彼の唄ってくれた「ダンボールの唄」は、闘争労働者の悲哀をメランコリックなメロディーに乗せた曲で、幼心のチャバの心にも浸透していく。作品の中でも、随所に使われている。
この作品は、瑞々しい少年の日常に忍び寄る恐怖を描くことで、悲惨な現実を強調し、戦争とは何かを伝えている。難しく考えるというよりは、ありのままを感じ取ればいいのだろう。
同じ国の人間同士が、奪う者と奪われる者とに別れ、平和な暮らしは許されず、まわりの人も物も環境も、一切合財が奪われていくということの不条理を淡々と描いている。
少年役チャバを演じたカルロスくんの演技がすばらしい。母性本能をくすぐるキラキラした瞳の元気な少年だ。恋人の住む家の窓に向かって、歓喜求愛の唄とダンスを見せるシーンがあるが、抱きしめてしまいたいくらいキュートである。
一方、ポスターヴィジュアルにもなっている銃を突きつけられ連行されるシーンの違和感といったらない。
ちなみに、この内戦は、終結してから15年経過するが、日本政府やアメリカ政府も悪名高き政府軍に援助をしていたという、暗い過去の関係がある。とっても複雑である。それがまた、文部科学省特別選定作品なのだから、皮肉なことである。
さて、エンタメ度という点では、『メッセージ・イン・アボトル』のルイス・マンドーキ監督なので、リアルスタイルを活かしつつも、きちんとドラマを構築。クライマックスに向かい、情動走らせる演出でブイブイ言わせている。序盤は、どうしても村の日常を描くため、少々面白みにかけるが、中盤以降は緊張感が高まり、スピード感がついてくる。最後は…、救いの中にも、虚しさが全開だ。
世の中って問題だらけなんだ。ふう。
アカデミー賞外国語作品賞のノミネートには遠いが、力はある。
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1月よりシネスイッチ銀座ほか全国順次公開
配給:アルバトロス・フィルム
■公式サイト
http://www.innocent-voice.com/
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» 『イノセント・ボイス 12歳の戦場』 [ラムの大通り]
「この映画を観ていると、
その昔にはやったある反戦フォークを思い出した。
マイケルズというグループが歌うその歌は『坊や大きくならないで』と言うんだ。
その中に『お前が大きくなると いくさに行くの
いつかはきっと 血に染まるだろう』という一節がある。
これはまさにそんな映画だ」
----衝撃的な歌詞だね。どこの国の映画なの?
「メキシコ映画。でもそれはメキシコシティ生まれのルイス・マンドーキ... [Read More]
Tracked on November 22, 2005 at 10:07 AM
» 無垢な声を [うえをむいてあるこう]
もし
あなたが
遠くの外国の戦場の
叫び声に
何も感じない
と嘆いているのなら
それについて話し合う
ゆとりが あるのならば
たった1本の映画を観てください。
「イノセント・ボイス」
シネスイッチ銀座 2006年公開
映画は
わたしたちの想...... [Read More]
Tracked on December 01, 2005 at 07:10 AM
» イノセント・ボイス [世 界 ぐ る ぐ る]
2006年の春に、「イノセント・ボイス」という映画が
上映される。
現在、世界では30万人以上の子どもたちが
子ども兵士として戦場に送られているが
中南米の小国、エルサルバドルも例外ではない。
この映画は脚本家であるオスカー・トレスの実体験をもとに
描かれ....... [Read More]
Tracked on December 02, 2005 at 01:18 AM
» イノセント・ボイス [月下独想]
イノセント・ボイス 〜12歳の戦場〜
http://www.innocent-voice.com/
80年代のエルサルバドルの内戦時代を描いた作品だそうです。
来年観に行かなくちゃ!
脚本はアメリカ在住のサルバドリアン、
オスカー・トレスという人が書いてますが
キャストやスタッフはほ....... [Read More]
Tracked on December 28, 2005 at 10:26 PM
» イノセント・ボイス [un paso adelante]
同窓会行ってきたときに、
エルサルバドルに行っててん、というと、
「エルサルバドル?どんなところ?」と必ず聞かれる。
私も行く前はどんなところか分からんかったか当然だけど、
なんか違いすぎてて、うまく返答できない。いつも。
思った以上に都会だったけれど。(ショッピングセンターがたくさんある)
91年まで内戦が続いていて、
自分と同年代でも戦争を体験している。
いつもへらへらしている子とかでも、
子どものときに、爆撃を聞いて育ったと思うと、
すっごいなぁって思う。
そ..... [Read More]
Tracked on January 03, 2006 at 11:35 PM
» イノセント・ボイス [パレード]
定時をやや過ぎた頃、仕事を無理やり切り上げて試写会のため竹橋へ。上映時間ぎりぎりに会場に入るとすでに満員だった。「イノセント・ボイス〜12歳の戦場〜」。関心の高さが伺える。
1980年、内戦下のエルサルバドル。亡命した父親に代わり「あなたが頼りよ」と言う母親の期待に応えようとする11歳の少年。学校で学び、友だちと遊び、クラスメイトの女の子に恋をする。銃声が響けば家の扉を閉め、幼い兄弟を抱いて守る。
けれども、そんな暮らしが残りわずかなことを彼は知っている。12歳になると政府軍に徴兵... [Read More]
Tracked on January 11, 2006 at 11:46 PM
» 映画: イノセント・ボイス [Pocket Warmer]
邦題:イノセント・ボイス 12歳の戦場 原題:voces inocentes 監 [Read More]
Tracked on January 22, 2006 at 11:48 AM
» イノセント・ボイス 12歳の戦場 [カリスマ映画論]
【映画的カリスマ指数】★★★★☆
戦争が奪う子供達の輝き [Read More]
Tracked on January 26, 2006 at 09:15 PM
» 7 イノセント・ボイス ~12歳の戦場 [毎週水曜日にMOVIE!]
もともとはこの映画を観る予定ではなかったのですが、「博士の・・・」は日本語字幕スーパー付でちょっと困っただったので、こちらにしました。いずれにしても観る運命でしたので。
「ホテル・ルワンダ」がまだ大きく心に残っているので、きつい気もしましたが12歳の息子もいることだし、見ておくべきと勇気をもって観にいったわけです。
エルサルバドル・・中南米のこの国についてはルワンダよりももっと知らない国でした。1980年から内乱があり、政府軍とゲリラの闘いが激化するなか、12歳になった少年は兵士として連... [Read More]
Tracked on January 27, 2006 at 12:26 AM
» イノセント・ボイス-12歳の戦場- [日っ歩~美味しいもの、映画、子育て...の日々~]
ある少年の実体験を基に作られた映画です。世界に30万人以上いるとも言われる少年兵について描かれています。
1980年、エルサルバドルでは、政府軍と反政府ゲリラの間で激しい内戦が繰りひろげられていました。政府軍は、12歳になる少年たちを”兵士”として徴収するために、定... [Read More]
Tracked on January 30, 2006 at 12:18 AM
» [ イノセント・ボイス 12歳の戦場 ]戦わないという主張 [アロハ坊主の日がな一日]
[ イノセント・ボイス 12歳の戦場 ]@シネスイッチ
銀座で鑑賞。
1980年代、そう遠い話ではない。激しい内戦に包まれて
いた中南米エルサルバドル。11歳の少年チャバは、父親
が家を出たため、母親と姉と弟を守らなければならなか
った。彼が恐れているのは、12歳の誕生日を迎えること。
政府軍に徴収され、楽しい子ども時代が終わってしまう
からだ。友達や好きな子との時間、家族との時間。誕生
日はもうすぐそこまで迫っていた。
... [Read More]
Tracked on February 01, 2006 at 11:56 PM
» 「イノセントボイス ~12歳の戦場~」見てきました [よしなしごと]
宮崎あおいさんの声で「知っていますか?現在でも世界で30万人以上の子どもが戦場へ送られていることを。」と始まる予告のイノセントボイス ~12歳の戦場~を見てきました。予告を見て、「これは絶対見に行かねば!」と思っていたのですが、期待が大きいものほど裏切られる可能性も大きいので、ちょっとドキドキでしたが、この映画は期待を裏切りませんでした。... [Read More]
Tracked on February 19, 2006 at 01:30 AM
» 「イノセント・ボイス」12歳の子供が銃を持つ現実 [soramove]
「イノセント・ボイス-12歳の戦場-」★★★★
ルイス・マンドーキ監督、2004年、メキシ
ポップコーンを
食べながら見ると
罪悪感を覚える映画だ。
1980年、中米の小国エルサルバドル
政府とゲリラの内戦下にあった。
12歳になると戦場に駆り出される
村の子...... [Read More]
Tracked on February 24, 2006 at 08:03 PM
» イノセント・ボイス 12歳の戦場 [Alice in Wonderland]
こんな悲惨なことが現実に起こっていたなんて・・・
ホテル・ルワンダの時にも感じた衝撃を2週間ほどの間でまたもや感じることになりました。
戦争とは民間人を無視して政府間だけで行う暴力行為。それに巻き込まれた民間人は成す術もなくただただ怯えながら生きていか...... [Read More]
Tracked on March 06, 2006 at 02:46 PM










Comments
この映画を見て、遠い国で起きている理不尽なことについて、なんか自分にもできないかなーと思い、いろいろ関連サイトを探しました。
アムネスティ・インターナショナルがやっている武器取引規制のキャンペーンというのがあって、内戦を助長する国際間の武器取引を規制する条約の締結を各国政府に求めているそうです。
世界中からこれに賛同する人の顔写真を集めるという顔署名というユニークな活動もしています。
これなら気軽に参加できて、しかも映画を見た後のもやもや感をちょっと解消してくれそうです。
このキャンペーンで武器取引規制の条約ができたら本当にすごいですね。がんばれNGOの人たち!!
アムネスティ日本の「イノセント・ボイス」紹介サイトhttp://www.amnesty.or.jp/modules/wfsection/article.php?articleid=138
Posted by: judy | January 10, 2006 at 11:34 AM
知識として知らないことでは無かったとはいえ、映像で見せられると衝撃を受けます。
Posted by: atsushi_009@PocketWarmer | January 22, 2006 at 11:52 AM