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February 22, 2006

戦場のアリア

その聖なる日、銃声が止んだ。
…あまりにも美しいエピソード。
それが故に、争いの現実も鮮明になる

※レビュー
フランス映画祭2006」3月19日クロージング作品上映
4月GW、シネスイッチ銀座、恵比寿ガーデンシネマほか公開
■公式サイト:「戦場のアリア

 今年度のアカデミー賞外国語作品賞5ノミネート作品の一つに選ばれている、話題の作品である。外国語作品賞は、世界各国の強豪作品の選りすぐりだけあって、全世界の映画人が注目しているのはご存知の通り。日本ではフランス映画祭でいち早く上映されるので、早めに観たい方はチケットを即ご入手あれ。こちらの試写室も満員御礼で、注目度の高さが伺える。

■物語
 1914年、第一次大戦下。フランス・スコットランド連合軍と、ドイツ軍が連日砲弾を鳴り響かせているフランス北部の村。クリスマスだけは家族のもとへ帰りたいと兵士の誰もが願っていたが、戦況はますます熾烈さを極めていた。 やがて訪れたクリスマスの夜。ドイツ軍には10万本のクリスマス・ツリーが届けられ、スコットランド軍の塹壕からはバグパイプの音色が聞こえてくる。そして、奇跡は起こった…。

■解説
 これは、大戦下のクリスマス・イブに、互いに敵対する者たちが、クリスマス・キャロルの歌声をきっかけに、戦闘の最前線で歩み寄り、挨拶をし、フランスのシャンパンで乾杯したという、奇跡のような物語である。これが長編2作目となるクリスチャン・カリオン監督は、軍の正式記録には残されていないが、ヨーロッパ各地に今も語り継がれる戦場の奇跡を忠実に映画化した。

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■レビュー
 この作品は、美しい音楽の力がどれだけ人の心を融和させるものか、そして民族文化は違えど、「敵」も自分と同じ「人間」として家族を持ち、故郷を愛し、平和を求めていることを、3カ国の兵士が互いに理解し、肌で実感し合う束の間の交流を描いている。

 クリスマスを家族と祝うことすらできなかった前線の兵士たちの内なる望みが、寒い夜空の下で、この心優しい奇跡を起こす。と同時に、戦う意味とその空虚さをもしだいに明らかにしていく本作は、「真の平和とは何か?」をも強く問いかける。これは過去に起こった奇跡の実話であるばかりか、混沌を極める現在にも一石を投じるテーマ内容となっている。

 だが、現実は優しい展開を用意していないのが常。彼らは「敵と交流した罪」により、各国の軍司令部によってを裁かれる。本当の悲劇は味方によって起こされるのだ…。我々の憤りと無念は、その時に胸の内側で嵐のごとく巻き起こるだろう。

 たとえば最近作の『クラッシュ』や『ミュンヘン』などにもテーマが通じているといえよう。映画は見ごたえがあり、心の琴線に触れてくる。…が、正直つらすぎる。

 そういえば昨年の秋口から、イデオロギー、民族、利権、貧富、暴力、銃弾、爆撃…そういう作品ばかりを観ている。「民族理解映画」の当たり年なのだろうか。そろそろ「戦争と平和」がリメイクされるのではなかろうか?

 ドイツの売れっ子若手俳優ダニエル・ブリュールが、若いながらも重要な役を何とかこなした。また、ドイツ人美人オペラ歌手を演じるダイアン・クルーガーの冷たい美しさも輝いている。フランス軍中尉を演じたギヨーム・カネのダンディな佇まいは、熟年女性の注目を浴びることだろう。フランス映画祭での来日が楽しみである。

 演出スタイルはオーソドックスだが、難しい話を情感豊かに表現した。

 メロウな旋律の音楽もいい。サントラは買いだろう。
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■受賞
 アカデミー賞 外国語映画賞ノミネート
 カンヌ映画祭正式出品
 ゴールデングローブ賞 外国語映画賞ノミネート
 英国アカデミー賞 外国語映画賞ノミネート

■キャスト
ダイアン・クルーガー、ギヨーム・カネ、ダニエル・ブリュール
ベンノ・フユルマン、ゲイリー・ルイス

■スタッフ
監督: クリスチャン・カリオン
アナの歌声: ナタリー・デッセー
シュプリンクの歌声: ロランド・ヴィラゾン
音楽: フィリップ・ロンビ

製作年:2005年/製作国:フランス・ドイツ・イギリス合作
提供:角川ヘラルド・ピクチャーズ、博報堂DYメディアパートナーズ/ノベライズ:竹書房/サントラ:東芝EMI/協力:ユニフランス東京/後援:フランス大使館文化部

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Tracked on March 13, 2006 at 01:33 PM

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Tracked on April 29, 2006 at 01:38 AM

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